こんにちは、U12、U13コーチの西田です。
サッカー育成年代に必要な事について感じている事をUPしたいと思います。
組織プレーがどうとか、戦術とか、フォーメーション、ポジションなど、サッカーは団体競技だからと言って、「みんなでやるサッカー」という言葉で、個の成長をごまかしてはいけない。
一人一人がどんな状況でもチームの勝利のために全力を尽くすのは当たり前だけど、サッカーは、個の力ではどうにもならない時がある。
しかし、育成年代では個の成長に対しての取り組みが選手や子供達の将来の勝利に繋がるのは絶対。
いわゆる公式戦と名がつくことで、勝った負けたと騒いでも、一人一人が上手くもならず、成長もせず、将来に繋がらなければ全く意味がない。
「個があってこそチームが成り立つ」ということを本当に理解してなければ、どんなにきれいごとを言ったとしても、グランドで行われてることは、大人のためのサッカーゲームでしかない。
ただ勝つためのチーム編成も、全員試合に使ってチャンスを与えるという方針も、どちらにも違和感を感じる。
普段の練習やサッカーから、十分、成長を感じることができるし、公式戦だなんだと煽ってモチベーションを上げたところで、普段から個にしっかり目を向けてサッカーをやってない限り、将来には繋がらない。
本人のサッカーが全く伸びてなければ、これから先の彼ら一人一人のサッカーはどうなるんだろう?
大人が「個の成長」を第一に考えなかったことへの代償は、結局、サッカーをやる本人が払わなければいけない。
チームプレーという言葉で個のプレーをごまかすことは出来ても、個の成長にごまかしは通用しない。彼らは、これから先もサッカーをやっていくのだから。
また試合経験という言葉に惑わされてはいけない。大会や公式戦など、そういう試合に出なきゃいけないという風潮は間違ってる。
育成とは、しっかり個を見極め、個を伸ばすことが一番重要で、そのためには、基礎技術と共に、サッカーというゲームの基礎を知っていかなきゃいけない。
サッカーというゲームを知り、その中で技術を発揮する術を学び、自分のスタイルを確立し、将来に繋げることに意味がある。
それは、すごくシンプルなところからスタートしなきゃいけないのに、サッカーというゲームを知らない子供達に、大人がああしろ、こうしろとやらせる試合を何百試合やっても、それは試合経験でもなんでもなく、むしろ、マイナスである。
技術を磨き、その技術を自分の判断で発揮するには、サッカーの基礎を知らなきゃいけない。そこを学ばない、知らない中で、本人のサッカーは育たない。
どんな試合をやっても、段階を飛び越した中では、ちゃんとサッカーは学べない。
一人一人のサッカーを見極め、サッカーの基礎技術を学び、基礎知識を学びながら、サッカーというものを覚えて、自分のサッカーにとってプラスになることこそ、本当の経験と言える。
試合さえやってれば安心というの大きな間違い。大人の「ヤラセの試合」は、百害あって一利なし。
技術練習をきちんと行っていなければ、いくら試合数をこなしてもレベルアップはしない。練習で単純なミスを繰り返す選手は、試合でも必ず同じミスをする。
日本は、育成の年代で、やたらと試合が多い気がする。早い段階で経験をより多く積ませるためだろうけど、技術が身に付いていなければ、それは経験にならず反省の繰り返しとなるだろう。基礎技術がなければ、いくら試合をしても個人のレベルアップには繋がらない。
だから、試合において大事なことは、どんな時も目的意識を持ってプレーすること。例えば、トラップを意識してボールを意図した場所に正確に止めるという目 的を持って取り組めば、試合中でも技術は向上する。先ずは、自分自身が上手くなるために、目的意識を持ってプレーしよう。
また、公式戦が一番大事とか聞くけど、それはプロの世界だけ。上手くなるのに公式戦も練習試合も紅白戦も関係ない。プロを目指しているなら、どんな練習や 試合でも、自分が上手くなるための場所だと思って貪欲にチャレンジする姿勢が大切。指導している子供達には「今、ベストを尽くそう」とよく言っている。上 手くなることを意識している選手は、どんな時もベストを尽くす。試合・練習の前に、結局目の前にあるボールを自由に扱えるかどうかだと思う…。